事例制作ログ

事例の制作・活用に関するアレやコレ、かなり雑談

知ってためになる単位の話(6)「台風がもたらすプレッシャーはいかほどか」

      2016/10/24

06

今年は、例年にも増して暑い夏となっていますが、台風の当たり年でもあるようです。程度の差はあれ、毎回、被害をもたらす台風は、日本人にとって厄介な存在である反面、国土の砂漠化や渇水を防ぎ、豊かな自然の維持に寄与するという側面もあるので「いたしかゆし」という存在ですね。
…ということで今回は、台風の単位を取り上げることにしましょう。

台風の目安は、10分間平均の風速を基準に「強さ」と「大きさ」で表されます。前者は最大風速をm/s(ミリ秒)で表し、後者は風速15m/s以上の半径をkm(キロメートル)で表します。詳しくは気象庁のサイトをご参照いただければ…と。

また、台風のニュースで「中心気圧は980ヘクトパスカル」などと伝えられますね。この値が小さいほど、気圧が低く、結果として勢力が強いことを意味します。このヘクトパスカルは、記号ではと記されますが、h(ヘクト)Pa(パスカル)を組み立てたものです。国際単位系(SI)における圧力の単位であるPaは、接頭辞hを付けることで大きな値となるものを見やすく表現できます。このように、ある単位を接頭辞や別の単位と組み立て別の単位とすることができるものを「組立単位」といいます。長さの単位であるm(メートル)は、2乗すると(平方メートル)という広さの単位に、3乗すると(立方メートル)という容積の単位になりますよね。Paは、1あたり、どれくらいの力がかかっているかを表します。そのままだと値が大きくわかりにくいことになるので、接頭辞のhを付けて100倍の単位としているのです。

さてこのパスカルという単位、人名に由来するものです。人間は考える葦であるのフレーズで有名なブレーズ・パスカルの功績を讃え圧力を表す単位の名前となっているのです。数学や物理学が好きな人にとっては、パスカルの三角形パスカルの原理パスカルの定理のほうがなじみ深いでしょうか。
フランスの哲学者であるとともに、自然哲学者(近代的物理学の先駆)、思想家、数学者、神学者でもあったというパスカルは、「早熟の天才」ともいわれ、39歳で亡くなっています。「美人薄命」などといわれますが、彼は、相対的に短い人生の中で、人一倍多くのことを学び、考え、成果を上げた人物といえるでしょう。圧力の研究を行うプレッシャーで寿命が縮まった…とは考えたくありませんね…。

この記事を書いた人

いとっち
いとっち
本名 伊藤幸夫。ディレクターときどきライターの書きたがり。阿漕は嫌いなアコギ(Acoustic Guiter)好き。縁あって単位とのおつきあいがはじまり、単位をテーマとした書籍を上梓。著書に「知っておきたい単位の知識200(ソフトバンク クリエイティブ刊)」「これだけ!単位(秀和システム刊)などがある。

 - その他, 雑談

  関連記事

【楽人楽酒 幻象学】 地元の飲み屋で人命救助

私の住まいはニュータウンの一角。 近くには古くからの農地も多く、私が通う飲屋の客 …

知ってためになる単位の話(5)「すこぶる辛さを示すスコヴィル値」

全国的に梅雨が明けて、本格的な夏到来となりました。夏になると食欲が落ちるせいか、 …

【楽人楽酒 幻象学】 下車した駅で

昭和25年生まれは団塊世代のチョット後になります。私の友人たちもすでに退職した者 …

【楽人楽酒 幻象学】 保守的な自分?・・・いやいや歳のせい?

最近、新しいものに興味がなくなりつつあります。歳のせいで保守的になったのか。飲み …

2016年は「IoT導入事例」「インダストリー4.0導入事例」やります

にわかに業界キーワードとして急上昇を続けている「IoT」と「インダストリー4.0 …

【楽人楽酒 幻象学】酒乱は潜在意識の解放?

入社仕立ての若かりし頃、酒好きの先輩連中から誘われ3軒ほど飲屋に連れ回されたこと …

知ってためになる単位の話(1)「Hz(ヘルツ)と焼き鳥の微妙な関係」

「単位」、それは普段、誰もがお世話になっているのに、あまり意識することがない存在 …

知ってためになる単位の話(3) 「今日は、フレンチでメートルとインチを食す」

前回、「単位の接頭辞(SI接頭辞)」という話を引きずり出しました。今回は、SIの …

事例制作に関するスタッフブログをスタート

事例制作に関するスタッフブログをスタートします。 有志5人の持ち回りで、週に1回 …

2016年版「導入事例ハンドブック」編集中!

「事例制作ログ」のコンテンツを厳選・編集した究極の一冊!好評をいただいた「事例制 …