事例制作ログ

事例の制作・活用に関するアレやコレ、かなり雑談

導入事例の事件簿(2) 「これはよくある!取材先に肝心なことが伝わってなかった事件」

      2015/10/20

a0002_002408

 

前回は、原稿がお蔵入りになってしまった事件を紹介しましたが、今回は、そこまで大事に至らなかったものの、「取材の現場に行って慌てた」事件をいくつかご紹介しましょう。これらはちょっとした事前の配慮で未然に防ぐことができます。

取材先の部長が突然「で、今日は何を話せばいいの?」

事例取材の現場に行って、いざインタビューを始めようとした時、こちら(取材側)の意図が全く先方に伝わっていない・・・というケースがたまにあります。取材対象として、直接の担当者以外に、その上司が登場する場合によくあります。たいていは、その場で説明をすれば何とかなるのですが、貴重な時間が無駄になるのは避けられません。
こうしたトラブルを防ぐには、事前に取材趣意書と質問案をしっかりと用意し、質問案には「この質問は〇〇さんに、この質問は上司の△△さんに」と、こちらの回答希望を明示しておくのが効果的です。

導入担当者が困惑して「導入効果はよく分らないな・・・調べてみないと」

これは最も困ってしまう状況です。導入事例の取材は導入した顧客の「よかった」という声を引き出すこと、さらに「どうよかったのか」という具体的な数値を引き出すことにあるからです。「何か使いやすいし、仕事も早くなったみたいでいいんじゃない」という言葉では、導入事例として弱すぎます。「導入してコストが半減した」「生産性が75%アップした」など、極力具体的な数値を応えてもらえるよう、予め取材先には準備(心構え)をしておいてもらう必要があります。
そのためには、質問案には必ず「効果を具体的な数値で聞きたい」旨を記しておき、それを十分な余裕(1週間以上)をもって渡しておくことです。取材直前に質問案を渡されても、システムの数値やコストの数値など、すぐに出せないことがあるからです。

女性の担当者が「え!写真も撮るんですか?」

導入事例取材を受けるのがはじめて、という場合によくあります。写真は恥ずかしいから勘弁して、と言われたり、最悪の場合は「名前は出さないで」と言われたりします。導入事例は実在の企業の担当者がリアルに語るから訴求効果が出るのであって、「写真なし・名前なし」では、価値が半減どころではありません。
こうした事態を回避するのは簡単で、取材趣意書に、「顔写真を撮影します」「原稿には肩書き・お名前を出させていただきます」と明記することです。
ベストなのは、過去の事例PDFやWEBを添付することです。過去例を見れば、顔写真や文体が一目瞭然で、一番誤解のない伝達になります。

たたき上げの社長が「うちの製品はすごいんだよ!まず工場見学に行こう!」

ノリノリの中堅企業の社長さんに取材した際に割とよくあるケースです。事件とまでは行きませんが、取材の段取りがすっかり狂い、肝心のインタビューの時間が30分しかなかった・・・ということがあります。特に製造業の事例企業への取材では、自社工場やショールームを案内されるケースが多いので、留意しておく必要があります。
具体的には、取材趣意書に取材の段取りを明記しておくことをお薦めします。

・インタビュー取材(60分)/取材中にお顔写真の撮影をします
・貴社工場見学(20分) ※取材後に時間のある場合

などといった具合です。
もちろん、取材先のそうした施設を見ることは記事を書く上ではプラスになりますが、本来の取材が圧迫されてしまっては本末転倒なので、予期しない展開については、時にはしっかりとお断りすることも必要です。このあたりは、実際に取材の進行を仕切るディレクターの手腕によるところが大きいと言えます。

メディアのタイアップ取材での誤解

最後に、これはやや特殊なケースですが、事例記事を「日経コンピュータ」などの媒体に載せるタイアップとして取材するケースです。取材先の企業が、純粋な編集記事の取材と思いこんでいて、取材の現場で(導入事例という)広告だということが判り、「そんな話は聞いていない」とごねてしまうケースです。確かに、取材される側からすれば「日経コンピュータに載ります」と言われれば、誤解してしまう気持ちはわからなくもありません。
これも、最初に例を挙げた「で、今日は何を話せばいいの?」と同様、取材の意図が十分に共有できていなかったことが原因なので、アポイントの際には「〇〇という製品導入事例の取材である」「媒体に掲載されるが、〇〇のメーカーがスポンサーのタイアップ広告である」ということを、しっかり伝えることが肝心です。

以上、割とよくある、事例取材の現場で起こりがちな“事件”を見てきましたが、どれも根幹は同じで、「事前かつ早めの情報提供と共有の確認」が不足していたために起きてしまったものばかりです。導入事例の取材については、取材に行くまでの「準備」がいかに大切か、お分かりいただけたかと存じます。「漏れのない準備」「巧みな取材」「高品質な原稿」の3拍子がそろってはじめて、良い事例を制作することができるのです。

まとめ

  • 現場に行って慌ててしまうトラブルの大半は、事前の情報共有・情報提供不足が原因
  • 取材先が事例取材に慣れているかなど、よく見極めて必要な事前リクエストを行う
  • 「漏れのない準備」「巧みな取材」「高品質な原稿」の3拍子が事例制作成功の秘訣

この記事を書いた人

きたみー
きたみー
導入事例制作一筋10年以上。アーキテクチャーの代表もやってます。
未来の野望は映画監督と港で釣り人相手のラーメン屋台開業。

 - 失敗例, 記事広告

  関連記事

導入事例の事件簿(1) なぜその事例はお蔵入りになってしまったのか?

長く事例取材を続けていると、ごくまれにですが、驚くようなトラブルに遭遇します。今 …

マーケティングに貢献する導入事例制作は、最初の“設計”が肝心

「導入事例って、よくあるA4ペラのあれでしょ?」・・・という会話。もちろんそれは …

継続的な事例制作に必要な視点「鮮度・頻度の管理」「目的別の分類」

導入事例ほど「継続性」が重要視されるコンテンツはありません。数が少なければ「ユー …

コンテンツSEOを事例記事で実現できる?(テストもしてみた)

「コンテンツSEO」というものをご存じだろうか?検索エンジンで上位を目指す検索エ …